『青の炎』は、かつて『ハートブレイカー』という仮題を付け、デビュー前から暖めていたアイデアです。 出版のめども立たないときから詳細なプロットを作って、秋葉原や鍼灸用品の専門店、レンタル私書箱などを取材に回りました。ようやく書く段となり、舞台となる湘南を自転車で走りながら、秀一の気持ちを風で感じることができました。家族を思う熱い思いと、冷酷な殺意の錯綜を、どう舞台上で表現するのか、今から楽しみでなりません。
原作の出版から23年、初の舞台化に演出として携われること、とても嬉しく思います。 名作には普遍的なテーマが内在している。 だから時が経っても、時代が変化しても、不変的な魅力がある。 まさに「青の炎」はそんな文学作品だと思います。 原作の魅力を踏襲しつつも、どう演劇的に昇華させられるか。 小説や映画ではない舞台ならではの魅力を、キャスト・スタッフの皆と一緒に追求したいと思います。