あらすじ

大奥とそれに絡むモノノ怪のお話から
遡ること数十年。
旅の途上、薬売りが足を踏み入れたのは、
華やかな賑わいを見せる芝居小屋。
そこに大奥から視察にきた役人・嵯峨正基の姿も。

芝居小屋の目玉は
“完全に揃う”双子の舞、《双子桜》。
だがその美しさは、どこか異様だった。

見えているはずのものが見えず、
見えぬはずのものが、そこに在る。

やがて舞台は崩れ、
鏡の奥から現れる怪異が人々を呑み込んでいく。

薬売りが、退魔の剣を抜くために探し求める――三様
(かたち)(まこと)(ことわり)

その先に浮かび上がるのは、
“二つで一つ”に囚われた双子の想いが生んだモノノ怪「二首女」。
《双子桜》誕生の由来を“映した”(おぼろ)の芝居が今、
幕を開ける──。