INTRODUCTION

「ナイト・ヘッド」それは、人間が使用していないとされている脳の容量である70%の部分を指す言葉である。

NIGHT HEAD(ナイトヘッド)とは、1992年の発表以来、
超能力をテーマにした斬新なストーリーと、
脳科学、哲学、ニューサイエンスへの深い考察を通して、
男性のSFファンのみならず、多数の女性ファンを沸かせると同時に、
全世界に多数フォロワー作品を産むブームとなり、
2000年代になってからも度々新たな小説、コミックス、携帯ゲームなどの
複数のメディアで展開された作品である。

STORY

超能力を持つがゆえに社会から疎外され、
15年もの間、超能力研究所に隔離されて育った兄弟――霧原直人・直也。

彼らは、自分たちが外に出られたということは、かつて研究所所長・御厨恭二朗に言われた、
能力者が受け入れられる社会が到来したということだと、希望に胸を膨らませる。
しかし、外の世界は、精神エネルギーの存在は完全否定され、
超能力はもとより、超常現象を扱った書物や映像などの創作物すらも思想統制された2041年の東京だった。

そんな物理主義を掲げる国家の安寧のため危険思想を取り締まる、国家保安本部。
その特務部隊に、二人の男の姿があった。
幼くして両親に棄てられ、特務部隊に預けられた兄弟――黒木タクヤ・ユウヤ。

黒木兄弟は導かれるように、居場所を求めて放浪する霧原兄弟に邂逅する。

逃げる者と追う者――
運命に翻弄される二組の兄弟の物語が、今、始まる――